喫煙していてもインプラント治療は受けられるのか?影響も解説!
こんにちは。愛媛県松山市にある松友歯科クリニックです。
「インプラント治療をしたいけれど、歯科医院で相談した際に喫煙が理由で断られた」という経験がある方もいるのではないでしょうか。
インプラント治療に、喫煙はさまざまな影響を及ぼすことがあります。そのため、喫煙者がインプラント治療を断られるケースは多々あるのです。
本記事では、喫煙者がインプラント治療を受けられるのかどうか、喫煙によってどのような影響があるのかについて解説します。インプラント治療をしたいけれど、なかなか喫煙を辞められないという方は参考にしてみてください。
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喫煙していてもインプラント治療は受けられる?
喫煙者でも、インプラント治療は受けられます。
ただし、少なくともインプラントの治療中は禁煙しなければなりません。可能であれば、インプラント治療後も禁煙を続けることが望ましいです。
また、喫煙者のインプラント治療を断っている歯科医院も少なくありません。タバコにはニコチンやタール、一酸化炭素を始め4,000種類の化学物質が含まれています。そのうち200種類以上は、有害物質です。
有害物質がインプラント治療の過程で悪影響を及ぼし、インプラント治療の成功率が下がったり、継続した使用が難しくなったりします。そのため、喫煙を控えることができない方は、インプラント治療を断られる可能性が高いと考えておきましょう。
タバコの種類は関係ある?
近年では、電子タバコや加熱式タバコを使用している方も多いでしょう。「タバコの種類が異なれば、インプラント治療できるのではないか」と考える方もいるかもしれません。
しかし、インプラント治療の可否と、タバコの種類は関係がありません。電子タバコには、有害物質の1つであるニコチンが含まれていないことが多いですが、他の有害物質は含まれています。紙タバコと同じように、インプラント治療を受けるのであれば禁煙すべきでしょう。
加熱式タバコも紙タバコと比較すればニコチンの量が少ないと言われていますが、インプラント治療に悪影響を及ぼす可能性が高いため控える必要があります。
どの種類のタバコを吸っている場合でも、インプラント治療ができないケースが多いと考えておいたほうが良いでしょう。
喫煙がインプラントに与える影響とは?
喫煙は、インプラント治療にさまざまな影響を与えます。ここからは、喫煙がインプラント治療にどのような影響を与えるのかを詳しく解説します。
インプラントが骨と結合しにくい
インプラントは、顎の骨としっかりと結合することでご自身の歯と同じように噛めるようになります。インプラント治療では外科的な手術を行うため、免疫力と治癒力が必要といえます。
タバコに含まれるニコチンは、血流を阻害します。回復に必要な血液や酸素が十分に骨に行き届かないため、インプラントと骨との結合を妨げるのです。
インプラントと顎の骨がしっかりと結合しなければ、インプラント治療は成功しません。また、免疫力が低下するため、手術後の傷の治りも悪くなるでしょう。
手術時の傷が治りにくい
インプラント手術の際は、歯茎を切開してインプラント体を埋入します。喫煙すると、有害物質の影響で血管が収縮して血流が阻害されます。そのため、酸素や栄養の供給量が減り、手術の傷が治りにくくなるでしょう。
インプラント周囲炎になりやすい
喫煙者は、インプラント周囲炎になりやすいと言われています。インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の組織が炎症を起こして、最終的にはインプラントを支えている顎の骨を溶かす病気です。
喫煙すると、ニコチンなどの影響で免疫力が下がります。細菌に感染しやすくなるので、インプラント周囲炎のリスクも高まるのです。
また、酸素と栄養の供給量も減るため、喫煙者は歯周ポケット内の酸素が非喫煙者よりも少ないです。歯周病の原因となる細菌は酸素が少ない環境を好みます。
歯周ポケット内が細菌の活動しやすい環境になっているため、インプラント周囲炎の原因菌が繁殖しやすく、インプラント周囲炎になりやすいでしょう。
インプラント治療が失敗しやすい
喫煙者は、インプラントが抜け落ちる可能性が高いと言われています。喫煙者と非喫煙者のインプラント治療後の状態を見てみると、インプラント治療を受けた方全体の失敗率は2%でした。喫煙者における失敗率は4%で、2倍なことが分かっています。
また、インプラント治療における合併症の発生率を見てみると、非喫煙者は31%であったのに対して、喫煙者では46%と非喫煙者より高いです。
インプラントの失敗率および合併症の罹患率が高いということは、インプラントが抜ける可能性が高いということです。インプラント治療の失敗率や合併症の発生率は、ヘビースモーカーであればあるほど高いとされています。
参照元:特定非営利活動法人日本歯周病学会 禁煙推進委員会「喫煙の歯周組織に対する影響」
インプラント手術後なら喫煙しても問題ない?
「インプラント治療中は頑張って禁煙するけれど、継続した禁煙は難しい」「インプラント手術が終われば、喫煙しても問題ないのでは」と思う方もいるかもしれません。
しかし、インプラントを長く維持するためには、手術後の喫煙も重要です。前述したように、タバコによる有害物質は血流を阻害し、酸素や栄養の供給も阻害します。
また、喫煙は唾液の分泌量を減らし、口腔内を乾燥させます。唾液による自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすい環境になるのです。そのため、インプラント周囲炎になるリスクを高めるでしょう。
インプラント周囲炎になれば、インプラントが脱落したり抜去が必要になったりする可能性があります。インプラント治療後、少しでもインプラントを長持ちさせたい方は禁煙を続けましょう。
喫煙者は保証の対象外になる可能性がある
インプラント治療後に喫煙をしていると、インプラントの保証の対象外になる可能性があり
ます。
喫煙は、インプラント治療に悪影響を及ぼすことが分かっています。そのため、多くの歯科医院では、喫煙者をインプラント保証の対象外にしているのです。
本来は無償や減額で受けられる破損や脱落時の治療費が有償になるので、注意が必要です。
インプラントを長持ちさせる方法
インプラント治療には高額な費用と長い期間がかかるため、少しでも長持ちさせたいと考える方が多いでしょう。ここでは、インプラントを長持ちさせる方法を解説します。
念入りに口腔ケアを行う
インプラントを少しでも長持ちさせるためには、念入りな口腔ケアが重要です。特に、喫煙者の口腔内は細菌が繁殖しやすいです。
口腔ケアをしっかりし、歯垢や歯石が蓄積しないようにしてください。毎食後に必ず歯を磨く習慣をつけ、インプラントが埋入されている箇所は、歯間ブラシやフロスなども活用して念入りにケアを行うと良いでしょう。
禁煙する
喫煙は、抵抗力や修復能力を低下させることから、インプラントの残存率が低下すると考えられています。インプラントを長持ちさせたいと考えるならば、禁煙は必須といえるでしょう。
メンテナンスを受ける
喫煙者に限らず、インプラントを長持ちさせるためにはメンテナンスを受けることが重要です。メンテナンスでは、インプラントの異常やインプラント周囲炎を早期発見してもらえたり、普段のお手入れでは取り除けない汚れを取り除いてもらえたりします。
メンテナンスのタイミングは歯科医院の方針や患者さまの状態によって異なるので、確認しましょう。
まとめ
喫煙すると、インプラント治療が失敗する可能性が高まったり、長期間の維持が難しくなったりします。そのため、歯科医院によっては喫煙者のインプラント治療を断る場合があります。
また、治療できたとしても、インプラント周囲炎などの合併症につながる可能性が高いとされています。インプラント治療を受けるなら、禁煙したほうがいいでしょう。
喫煙者がインプラント治療を受けられるかどうかは、歯科医院の方針によって異なります。さまざまな歯科医院に相談してみると良いでしょう。
インプラントを検討されている方は、愛媛県松山市にある松友歯科クリニックにお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や小児歯科・小児矯正、ホワイトニング、インプラントなど、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、お電話でのご予約もお待ちしております。