顎関節症

口を開くと痛みがあって大きく開きません。顎関節症でしょうか?

口を開こうとすると顎関節(耳の穴の前にあります)や顎を動かす筋肉が痛む、あるいは十分には大きく口を開けられない。
または口の開け閉めで顎関節に音がする。という症状がでます。
症状が音だけであった場合、首を回したり、肩を動かして音が出るという状況と同じですが、顎関節の場合、耳のすぐ隣にあるために「音が気になる」という人がいます。
しかしこの音を消すためには手術が必要になることから、「音だけであるなら手術すべきではなく、治療する必要はない」とされています。顎関節症の症状が始まったとしても、痛みや口の開けにくさが一時的だったとか、音だけで他の症状がなければ治療の必要はないかもしれません。
また顎関節症による口の開けにくさで、実際に治療が必要になる人は症状を自覚した人の中の5%程度と推定されています。

食べたり笑ったりすると顎がカクカクいう。

口を開け閉めする時にカクッというような高い音、ゴリッというような鈍い音がします。
これは顎関節の内部にある「関節円板」という組織が開け閉めの際にずれたり、穴があいていたりすることで引き起こされます。

顎関節症の予防法は?

顎関節症の場合は、TCH(上下の歯を接触させる癖)の他にも、あごに負担がかかる行動や習慣をなるべく避ける必要があります。
日常で顎に負担がかかりやすい習慣には、「ほおづえをつく」、「うつ伏せで寝る」などがあります。
ささいな習慣や癖に注意することで、症状の改善、悪化の防止、または予防にもつながります。

かみ合わせが悪いと顎関節症になりやすいのでしょうか?

噛み合わせを治療すると顎関節症がよくなる場合もあるという事実から考えて、悪い噛み合わせが顎関節症の補助的な原因である可能性があります。
つまり、不正咬合を放置すると顎関節症にかかりやすくなる可能性は低いですがありえます。

急に顎が痛くて口が開かなくなりました。

急性のクローズドロックが疑われます。
顎の関節は左右両側にあり、このどちらかの顎関節の中にある関節円板がズレて自分の力では元の位置に戻らなくなることが起こります。
原因として、ストレスによる強い噛み締め(歯ぎしり)、咬合の不調和、スポーツや事故による外部からの衝撃などがあげられますが、この症状が歯科医師により確認出来た場合は、至急、顎関節円板を元の位置に戻す処置(マニピュレーション)が必要になります。

顎関節症は手術が必要なのですか?

手術が必要なケースはごくまれです。
ほとんどのケースがマウスピースと多くても3回程度の注射でよくなります。
徐々に治療して行くので即効性はありませんが、数回の来院でよくなります。

保険内で顎関節症治療はできますか?

初診の場合は1,000~2,000円程度、再診の場合は500~1,000円程度の必要がかかることが多いです。
多くの場合、保険は適用されますが、保険適用外の診療もあるため、事前に問い合わせください。

顎関節症から肩こりや頭痛が起こると聞いたのですが、本当ですか?

歯ぎしり、くいしばりの習癖はないでしょうか?
下顎の周辺に咀嚼筋という顎を動かす筋肉があり、この筋肉に痛みがあると「顎が痛い」「歯が痛い」「頭が痛い」と認識されることがあります。
歯ぎしりなどに起因する咀嚼筋および頭蓋周辺筋の過緊張が顎関節症や筋緊張型頭痛の原因の一つになります。
筋緊張型頭痛が主症状である場合は、内科などへご紹介し他科連携で治療に当たることもあります。

自分が顎関節症かどうかわからないのですがどうしたら分かりますか?

下記の項目のセルフチェックをしてみましょう。
①以前に比べてかみ合わせが変わったと感じる
②あごを動かすと痛みがあり、口を開けるときや閉めるときに特に痛みを感じる
③口を大きく開けた時にまがって開く
④人差し指、中指、薬指の3本を縦に揃えて入れることが難しい。
⑤耳の前やこめかみ、頬にも痛みを感じる
⑥厚めのステーキやするめ、など硬いものを食べるとあごが痛い
⑦口を大きく開けるとカックンという音がする


これらの症状に当てはまると顎関節症のリスクが高くなります。
違和感を覚えたら早めに受診して顎に対する負担をなくしましょう。

診療時間や期間はどの位かかりますか?

期間は2ヶ月程度、3回程度の通院が目安です。

普段から口を開けると、音がしたり口が開けづらいことがあるのですが?

顎関節症が疑われます。
症状としては口を開けたり閉じたりする時に顎関節でカックン、コッキンというような音がします。症状がある場合は硬いものを食べたり、無理に大きく口を開けたりしないようにしましょう。
痛みがあり、口がスムーズにあけにくくなった場合は口腔外科での受診をお勧めします。